COLUMN

CATEGORY :「家づくりコラム」に関連する記事一覧

風を呼び込む家

こんにちは、ディレクトです。

東から西へと爽やかな風が吹く、初夏を感じる気持ちの良い季節。

今年のゴールデンウイークは、みなさんどのように過ごされたでしょうか?

私たちは、家づくりにおいて、陽当たりと同じくらい「風通し」を大切に考えて設計をしています。

近年の住宅は、気密性が上がり「夏涼しく・冬暖かい」嬉しい効果もありますが、だからといって1年中窓を閉め切って過ごすのが、本当によいのでしょうか?

密閉しすぎる家は、空気が澱みます。

カビやホコリによる健康リスクの原因となるだけでなく、澱んだ空気の中での生活が居心地よいとは思えません。

そこで大切なのは「換気」=「風通し」です。

昔の日本家屋が長持ちする理由の一つは、程よく隙間風が入り、内外の温度差を少なくするよう考えられているからです。

内外の気温差をなくすことで、湿気を逃がし、カビ発生のリスクも軽減してくれます。

風通しは、家を長持ちさせるためにも大事なことなのです

家は生きています

密閉して息苦しい居住空間より、爽やかな風が通り深呼吸のできる家のほうが心地よいと思いませんか?

風を効果的に呼び込むには、設計において「窓」の配置がポイントになります。

対角にバランスよく配置する。

風を入れる窓は細く、風を出す窓は大きくする。

下から上に風が抜けるように窓を配置する。

このような窓を設計すると、爽やかな風が家全体を通り抜けて、程よく換気を行ってくれます。

2 方向にある窓には「自然に風が通る道を作ってあげる」という意味がありますし、ひらけた土地に対しては大きな開口を設けてあげるという考え方も、家に風を呼び込む設計のポイントになります。

ディレクトの家づくりでは、周辺の建物のスキマなども事前に確認し、考慮した上で窓の配置計画をしています。

「風」のことも考えて設計をして、より居心地のよい家をお造りしています。

現場監督の重要性

こんにちは、ディレクトです。

家づくりは、設計士や職人さんなど、いろいろな人が関わって完成します。

その中に、「現場監督」という仕事をする人がいます。

お客さまとの接点が少ないので、陰に隠れがちな仕事ですが、実はとても重要な役割を担っています。

現場監督の主な仕事は、工事をスケジュール通りに進めること。

一言で簡単に言ってしまいましたが、工事が始まるとイレギュラーなことが度々起こるため、トラブルなくスムーズに進めることは大変困難です。

・図面通りに進んでいるか?

・建築材が不足していたり、到着が遅れたりしていないか?

・職人さんの段取りが滞りなくできているか?

・施工がしっかりと丁寧に、質高く行われているか?

…など、数えればキリがないほど多くの仕事があります。

発注数の見極めや、品物を現場の進行状況に合わせてタイミングよく納品することも求められます。

他にも、素材の仕上がりをチェックしたり、施工のトラブルがあれば設計士と相談してやり直しをすることもあります。

さらにもう一つ、現場監督の大事な仕事が「近隣への配慮」です。

むしろ多岐に渡る仕事の中でも、一番大事だと言っていいと思います。

工事を始める時に挨拶回りをしたり、工事中の騒音などに配慮したり。

オーナーさまは、その場所でこれからもずっと住まわれるわけですから、始まり良ければすべてよし、工事によって近隣とのトラブルが起きないように常に気を配っています。

現場監督は、家づくりに関わる物や人をつなぐ架け橋のような、なくてはならない重要な仕事なのです。

一本の線にのせる想い

こんにちは、ディレクトです。

お客さまの「家づくりへの想い」は、お一人おひとり違います。

私たち設計士は、その想いを聞いて図面を書きます。

だから、100人のお客さまがいれば、100通りの家ができます。

お客さまが何を求め、どんな住まいが心地よいのか?

家の形、天井の高さ、窓の大きさ、間取りなどひとつひとつに意味があり、同じものはありません

様々なことを熟慮した上でデザインするので、自信をもって提案でき、お客さまの家づくりの想いをカタチにできるのです。

図面に線を引くことで、全体から部分的な大きさまでを現し、それを基に新しい暮らしでの人の動きや生活スタイルを提案します。

一本の線に幅を設定すれば、壁厚による断熱性や遮音性を表現できます。

壁の高さを設定することで、内外からの視線やプライバシー、方角や季節による陽の入り方などを検討することができます。

図面に書かれているのは、一本の線の集まりかもしれません。

しかし、その一本一本には、いろんな意味とお客さまの大事な想いが込められています

このように、丁寧に描かれた図面から造られる家は、きっと居心地の良い愛着を持って暮らせる家です。

これからも、そのような良い家を造り続けたいと思っています。

永く住み続けたくなる家づくり

こんにちは、ディレクトです。

この頃、長く愛用している木製のテーブルの味わいが、いい感じに深みを増してきたなと感じています。

自然素材の良さは、使えば使うほど味わい深さが出てくる「経年変化を楽しめる」こと。

家具だけでなく、木の床や建具、木製のデッキ、木材で仕上げた外壁など、時が経つほどに家族の暮らしにしっくり馴染んでいき、スレやキズさえも表情豊かな」になっていきます。

この変化を、「古くなった」ではなく「味わいが出てきた」と捉えられると、その家に住まうことに愛着がわいてきます。

グルメやファッションに流行りがあるように、住宅業界にもトレンドがあります。

しかし、ディレクトが考える家づくりは、お客さまの想いをカタチにし、さらには10年後も20年後も愛着を持って過ごしていただける住まいです。

色や柄、デザインは極力シンプルに、ひとつひとつをお客さまと対話をしながら、ご家族にとって心地よい住まい空間を考えていくのです。

ずっと永く住み続けたい

そんな愛着を感じて暮らせる家づくりを、お客さまと一緒にお造りしていきたいと思っています。

設計士が魅了される建築 【落水荘】

こんにちは、ディレクトです。

世界中には、星の数ほど多くの建築があります。

その中には、多くの人々を惹き付けてやまない「名建築」と言われるものがあります。

今回ご紹介する【落水荘】もその一つです。

(引用元 hash-casa.com/2019/07/13/fallingwater/

落水荘は、アメリカ・ペンシルベニア州のピッツバーグ郊外にあり、ユネスコ世界遺産にも登録されている建物です。

1936年にアメリカの実業家エドガー・カウフマンの邸宅として、世界的に有名な建築家であるフランク・ロイド・ライトによって設計されました。

英語名は【Fallingwater(フォーリング・ウォーター)】。

写真からも解りますが、滝の上に建てられており、自然と調和した美しい佇まいが特徴です。

カウフマンの「滝を眺めて過ごしたい」という要望に、フランク・ロイド・ライトは滝の上に建築することで、ただ眺めるだけでなく「滝と共に暮らす」という設計で応えたのだとか。

コンクリートの構造を活かした極薄なキャンチレバー(片持ち梁)を多用して、屋根を極力低くしたデザイン、建具とのバランスなど、どこを見ても洗練されています。

85年前のデザインとは思えない、現在でも充分適応する設計です。

感動や影響を受けた建築は、自分の設計や考え方に良い影響を与えることも少なくありません。

私たちも、フランク・ロイド・ライトのように、お客さまのご要望に期待以上で応える設計をしたいと考えています。